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ワークショップの“前”と“後”に必要なものは?   変革を引き起こす場づくりに向けて てっちゃん:小笠原裕司について

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〈ゲスト〉 【小笠原 祐司(てっちゃん)】
NPO法人bond place代表理事。
2016年4月から山梨学院大学・非常勤講師1985年7月22日生まれ

小笠原祐司なのにてっちゃんというニックネームがついている。(ふしぎ)
・株式会社かんぽ生命(支店長教育)をコンペで獲得、その後、多数企業のワークショップのみならず、行政、学校などとの協動も。

2017/01/15
ワークショップの“前”と“後”に必要なものは?  ~変革を引き起こす場づくりに向けて

≪日時≫ 1月15日(日)  10:00~17:00 (9:45受付開始)
≪場所≫ ASCビル (福岡市博多区博多駅東1丁目16-25)

〈ファシリテーター〉
【吉次 潤 (よっしー)】
株式会社ヒューマナイズ 代表取締役

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この人は、声を荒げることはあるんだろうかと思う。
人を信じるということの安定感をいつも感じさせる人だ。
今回のファシリテーターは、NPO法人ボンドデザイン 小笠原裕司代表。
おそらく、こういう肩書きで呼ばれることを、誰よりも好まないのが本人かもしれないと勝手に思う。

自分のことを『てっちゃん』と呼んでください。と言う。
ワークショップ開催中、ワークに入ると、ふらふらと歩き回って、それぞれの席を覗き込んでは、それって、デメリットですかねー?と、軽く問いを投げかける。
皆、そこで、うーん…と考える。
実は、本当にそれは、メリットにもなることだったりする。

私にとっては、紋切り型に落とし込まないセミナーで、そう言う考えか!と言う刺激が多すぎて、思考の整理が追いつかない。
1月14日から15日に開催された、ワークショップのセミナーで学んだことは多いが、私が今、言語化できることは少ない…。
とにかく、内容が濃く、能力が追いつかないのだ。
『てっちゃん』が話す言葉だけでなく、参加者同士の会話、話すレベルがさらに上がるのは、きっと、その場を占める雰囲気による。

『てっちゃん』は人間性を信じていて、人との関係を何よりも重んじていて、時には、トラブルさえも良いことだと言ってしまう。
その自信は、年間190回のワークショップをこなす、そのバイタリティと、経験に裏打ちされたもの。
さらに、学ぶ力と、応用力の強さ、レベルの高さを感じる。
力任せにねじ伏せるのでは無い、春のそよ風のようなファシリテーション。
だが、弱々しくは無い。

これほど、自由に自分を出すことができるワークショップがあるとは思わなかった。
そう言う感想を持つのは、ひとえに『てっちゃん』の力量だ。

軽いノリの、ファシリテーションなのに、社会からも、絶大な信頼を勝ち得ている。
オリンピック・パラリンピックの企画に携わる仕事の受注
企業の上場に向けたワークショップを個人事業主で受注
こう言うプロフィールを聞くと、シャープなキレ者を想像するが…。
実は、ユルイ…(笑)
床に座り込む。
時間を知らせるベルを良い音を鳴らすことにこだわってみる。
パソコンを九州に忘れて、飛行機に乗ってしまう。
恐ろしい程のギャップである。
しかし、近所の、物知りのお兄さん風でしかない、その外見に騙されてはいけない。
間違いなく、彼はキレ者なのだ…。(恐ろしい)

場を整える力・問題解決の問い

まず、場の雰囲気。

肩肘を張らずに、参加できる雰囲気づくり。
身の丈で参加できるムード作り。
そのセミナーへ参加した人同士が、久しぶりにお会いしたとしても、友人のように話ができる。
そもそも、リピーターが多いワークショップだ。
その、心地よい学びの場を共有したと言う経験が互いの関係性を作る。

その心地よい雰囲気の中で、ワークが行われるのだけれど、さりげない『てっちゃん』の問いで、意見がコロコロと転がりだす。
例えば:参加者が立てたこんな問いがある。
【時間が限られているワークショップで、話が止まらない人をどうしたらいい?】
様々な意見が、その人の『話を切る』方向で進む中、ファシリテーターのてっちゃんが、覗き込むようにやってきて、ぼそりと、「話す時間をきっちり与えてあげたらいいかもしれませんねー。」と、つぶやく。

例えば…。
二人ペアで時間を切って、片方ずつ話す。
絶対にその人だけが話す時間を10分間与えてあげる。
そして、その人が話している間は、聞き手に回る。と、ルールを決めると…。

そこで、視点が変わって、話させないようにするんじゃなくて、その人が話す時間をどうやって確保してあげるかと言う視点に変わる。そして、「意見が出やすくなるね。」と、また、話が転がっていく。

問題は、問いの立て方だと言う。
例えば、イベント開催にあたって、どうしたら、良いイベントになるかと言う問いを立てると、回答が滞る。
意見を出すのに慣れている人と、慣れていない人との差がかなり出る。
では?

【最低なイベントって何?】と問いをずらすだけで、皆が答えられる敷居が低くなる。
その敷居が低くなり、多くの意見をとることができた状態で、カテゴリー分けをする。

カテゴリー分けをしたところで、
なにが面白いのかを分析・分類する。

そして、面白いの概念化。

そこからが、本番のコンテンツ造りへ…。
かなり時間をかける。

多数の意見を確保したはいいが、その意見を、無駄にせず、どう、昇華させるのか、迷っていたところを整理することができた。

「この案の何が面白いの?」
ネガティブな問いでなく、その出された『案』のバックボーンを知り、概念化すること。
それの『案』エッセンスを吸い上げて、実現可能なところまで落とし込む。

それは、かなり、手間のかかる作業だが、それができることが、何よりも大事で、次へのステップへ繋がると言うことがとても実感できる。
手間のかかる仕事、と言うよりも、緻密な作業。

丁寧に…。大切にすること。

『丁寧に』と言うことを、誰よりも大事にしている人。
丁寧にと言うことは、どう言う意味かを問いかけると、参加者、主催者への心を尽くすこと、思いやりを尽くすことだと言う。
礼儀ということでしょうか?というと、そうかもしれませんという答え。

心配りに関して、これほどの人を知らない。
いや、心配りの質が違うのだ。

相手に失礼の無いようにという心配りをされる方は何人も知っている。
自分にできない部分なので、とても尊敬する人たちなのだけれど、『てっちゃん』の心配りは、ただ一点に集中している。

皆が、自由に緊張感を持たないように、自由に意見を発することができるように、誰しもが平等に語ることができるようにという部分にフォーカスしている。
時間を知らせるベルも。
最初に自己紹介をするタイミングも。
ワークショップの組み上げかたも。
全部に理由があって、全部説明し理解していただくことを心がけていると聞く。

それは、皆に、平等に参加してもらうための心づくしであり、丁寧さだ。
彼の仕事は、ありたい姿の理想と、今現在の現実のギャップを埋めること。
それは埋まらないかもしれないし、結論を出すことがワークショップでは無い。
場の雰囲気を作り出すことが、ワークショップの役割だとも言う。

場を支配する思いをカタチにすること

場の雰囲気を作り出すことで、皆が同じ問題に取り組むことができる。
ギャップを解決していく姿勢を創り出すには、皆が、共有ビジョンを持つことが大事だと言う。

ビジョンの共有ではなく、共有ビジョン。
この言葉にこだわるところも、『てっちゃん』っぽい。
ビジョンの共有とは、上から降ろしたビジョンのことであり、
共有ビジョンとは、皆がこうありたいと思い描くビジョンのこと。

おそらく、それが、目的となってくるし、実際に、ワークショップを行なっていくうちに、ビジョンが変わっていくこともある。
それは、参加者の考え方のステージが上がって、より高度なビジョンを持つことになることとも言える。

ワークショップは生き物だ。
生き物だから、主催者側の思い通りにならないところもある。
しかし、それさえも、想定しながら、受け止めて動かしてゆく。
それが、大事なこと。

主催者側が望まないことが起こるかもしれないと言う想定をしつつも、それをも織り込み済みで組み上げていくしたたかさ。
『てっちゃん:小笠原裕司さん』は、隣近所にいるから、気づかないが、実は、世界を変える革命家なのかもしれんと、実際のタフな話を、笑顔で笑い飛ばしながら話す姿を見て、ふと、そう思うのである。
怖い怖い。(笑)