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■マスコミ対応に関する基礎知識(新聞編)

新聞記者の背後には多くの読者ひいては国民の存在があるため、その対応は慎重に行う必要がある。記者の誤解や無用な反感を避けるために、記者対応に際して 一般的に留意すべきとされている事項は以下のとおりである。

1.対応体制と事前の留意事項

新聞社(マスコミ)への対応は原則として各地域の広報担当(以下広報)に窓口を一本化すること。

記者は広報が十分な情報を有していないと判断した場合、すなわち広報以外に素晴らしいニュースソースがあると分かれば、必ずその情報を持っていると思われ る人物に直接殺到する(いわゆる夜回り・朝駆けが行われる)。 このような事態になれば、企業のマスコミ対応が混乱することは必至である。

役員や担当者、当事者が直接取材をかけられた場合には、「窓口は広報で、私たちが直接お応えする訳には参りません」と断固として断ること。
付け加えるとすれば、「私たちは断片的な知識しかありませんが、広報はすべて承知しています。広報にお聞きください」と言えば十分である。
このための必須条件として、記者に誰に聞くより、どこで聞くよりも広報の答えが正確で深いと分からせることが必要があり、広報に全ての情報をタイムリーに一元化することが、対応体制として不可欠である。

取材の内容により各部門が対応する場合においても、必ず広報担当が同席すること。 やむを得ず広報担当が同席できない時には、事前に広報との十分な打ち合わせを行い、取材後には広報への連絡を行うこと。

社内の意志統一を十分に図った上で対応すること。

取材内容の確認ができる様、記録を残しておくこと。
メモによる記録は必須であるが、取材時に相手の了解が得られれば極力録音するよう努めること。

原稿のチェックが必要なら事前に確認すること。
記者が書いた原稿を掲載前に見せる様要求することは通常できない。 但し、座談会記事や対談記事は原稿チェックが可能なケースもあるので、事前にそれが可能であるか否かを確認し、可能なら依頼しておく必要がある。(後述・-2-・参照)

取材の申し込みに対しては、極力応ずる様努力すること。

2.記者対応上の基本的留意点

社会性への配慮

記者(新聞社)は社会の目で物事を見て、一般読者・国民に正確・有意義な情報を提供することを目的としている。従って、対応上以下の点に留意が必要である。

  • 「法的には責任がない」といった組織の理論は通用しない。
    同様に「組織の秘密」も逃げととられる恐れがある。但し、マスコミ側が人権上の問題等から規制している事項もあり、これを理由に取材を断わることは考えてよい。
  • 記事にされたくないことは話さないこと。
    記事にしないで欲しいと頼んでも、記者は報道する意義があると判断すれば記事にするのが普通であり、話したことはすべて書かれるという前提で対応するべき である。「オフレコ」と注文をつけても、必ずしも守られるとは限らない。同業者の悪口、噂などには特に注意が必要である。
  • 自分の宣伝に記者を使おうと考えないこと。
    事実の誇張や、宣伝臭のある表現、既に古くなっている情報を新しい情報の如く話すことは避けること。
  • 公用と私用を厳に区別すること。

記者と人間関係・信頼関係を築くことは重要であるが、食事や酒だけで親しくなろうとすることは厳に慎むべきである。人間関係の基本は人間性であり、ハートであることをキモに銘じて置くべきである。

独立性への配慮

記者(新聞社)はあくまで独自の立場で記事を書き、報道を行っているので、その立場を侵害するような行動は厳に慎む必要がある。具体的には、以下の点に留意が必要である。

  • 掲載前の記事を見せるように要求しないこと。
    記者の判断に口を挟む結果となる。但し、専門紙のインタビュー記事等特殊な場合には事実確認のため可能なこともあるが、この場合においてもあらかじめ承諾を得ておく必要がある。
  • 記事掲載に際して事前の連絡があると考えないこと。
  • 公平な対応をすること。
    複数の社の記者を相手に話をする場合などにおいて、所属する社によって対応に差をつけないこと。
  • 担当記者を飛び越して幹部などに話を持ち込まないこと。また、記者の所属する社に知人がいても特にその人物の職位が高い場合などはこれに触れないこと。
    記者側から見ればこれらの言動は、圧力をかけられたととられることになる。
  • 記者の秘密を厳守すること。
    特に記者はニュースソースを財産としており、これを明かさないことを義務としている。逆に取材された側でも、原則として記者の秘密(取材を受けた事実)などを明かしてはならない。

時間の制約への配慮

新聞記者は、常に原稿の締め切り時刻を意識して行動している。従って、以下の点に留意が必要である。

  • 記者と約束した時刻を厳守すること。
  • 電話を受けたら迅速に対応すること。
    電話があった時に不在にしていたら、なるべく早く電話をかけ返すこと。

3.取材対応上の留意点

記者からの取材を受ける際には上記の基本的留意点を踏まえた上、以下の具体的な点に注意を払う必要がある。

正確な情報の提供

  • 嘘は絶対につかないこと。
    特に緊急時など、ひとつの嘘があるとそれを埋め合わせるために次々と嘘が必要になり、結果として不信を招き不利な報道が拡大することになる。 最近の海上自衛隊のイージス艦事故における虚偽の報告およびこれに伴う報道の拡大はこの典型例である。 また、結果的に嘘になる恐れのある発言にも注意が必要である。
  • 不明なことはその旨明確に伝え、推測に基づいた回答をしないこと。
    その場でわからないことは「わからない」とし、必要ならば関連部署に問い合わせの上、後から回答する旨答えて、正確な事実を確認し回答する。
  • 公表できないことはその旨はっきりと伝えること。
    公表できない時は言い訳をせずに職業の倫理として厳守しなければならない秘密または個人の生命・人権を侵す恐れがあるなどの理由で「言えない」とはっきり言うこと。
    但し、言えない理由を十分に説明する必要がある。 「ノーコメント」という言葉は相手にイエスであるととられるか、その件に対して回答者が投げやりであるととられる可能性が高いので使わないこと。
  • 数値・固有名詞を正確に伝えること。
  • 誤りは率直に指摘すること。
    記者の発言が誤っている場合には、よく確認の上、率直に指摘する必要がある。

わかりやすく具体的な情報提供

  • 冒頭に最も重要なことを話すこと。
  • 事実を的確に要領良く話すこと。
  • 専門用語や業界用語をできるだけ使わないこと。
  • ストレートな質問にはストレートに答えること。

感情に左右されない対応

  • 記者との議論は避けること。
  • 不快な質問には乗らないこと。
    不快な質問には深入りせず、感情的になって相手のペースに引き込まれることを避けるべきである。

電話取材における留意点

  • 電話取材は、意志疎通の不足等からトラブルの元になる恐れが強いので、複雑な問題については即答しないなど、ケースバイケースの対応が必要となる。
  • 簡単かつ明解な質問には電話で答える。
    どのマスコミから聞かれても回答が決まっているような場合(既に公表されている明確な事実や、あらかじめどう回答するかが決まっている事項など)で、 かつ簡単なコメントで済む場合は、あまり神経質になり文書やFAXでのやりとりを求めると企業イメージを損なうことになるので、相手の社名・所属・連絡先を確認の上、電話で答える方が望ましい。
  • 複雑な問題(会社の見解が絡む場合など)については即答を避ける。
    相手の氏名、身分、取材の目的、どのような記事になるのかを確かめ、「関連部署に確認して早急に返答する」旨を伝えて電話番号を聞き、できるだけ速やかに回答することが望ましい。
    相手が自分の電話番号を答えず「こちらからもう一度電話する」と答えた場合、フリーのライターか、偽者か疑ってかかる必要がある。 こうした場合には、当該マスコミの当該部にそのような人物の存在を確かめることが、相手に対していいかげんなことを書かせないための牽制にもなり有効である。
  • 事件・事故などの悪いニュースの場合は、記者は所属するクラブなど名乗らないのが普通であるが、 こうした場合でも必ず丁寧に社名、所属部、氏名、連絡先の電話を最低限確認し(これによって所属部・担当が調べられる)、あらかじめ用意されたコメントを伝えることが望ましい。
    あらかじめ用意された事項以外に質問が及んだ場合には、「事実関係を確かめ早急にご返事致します」と答え追って返答することが必要である。
  • インタビューや複雑な特集などに関する取材の場合には、質問事項をFAXしてもらい、後刻回答またはインタビューに応じる方法をとることが必要である。
  • 不祥事発生時の追求と対応パターン
  • 不祥事が発生した際の記者(マスコミ)対応においては種々留意すべき点があるが、基本的なマスコミの追求と組織がとるべき対応のパターンは概ね以下のとおりである。
記者の追求パターン 企業の対応パターン
謝罪表明
1.何が起きたのか 現状説明
2.なぜ起きたのか 原因究明結果・状況の説明
3.どう対処するのか 対応措置の説明
4.誰の責任なのか 責任の表明
5.どう再発を防ぐのか 再発防止策の説明

4.取材後のフォロー

誤報への対応
紙面に掲載された記事に誤りがあれば、直ちに文書で抗議すること。この場合でも担当記者を飛び越してデスクに抗議することは避けなければならない。但し、見解の相違については訂正は困難である。
掲載への御礼
新聞記者と被取材者は基本的に対等であるので、自社に有利な記事が掲載されたからと言って特別なフォローは必要ない。但し、電話・はがきで礼を言うことは効果的ではある。

広報21より

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